何気なく使っている言葉の意味

「暗中模索」(あんちゅうもさく)

 

皆さんは、「暗中模索」(あんちゅうもさく)という四字熟語を、

何気なく使った事がありませんか?

「暗中模索」の意味は、「正解の糸口がないまま、あれこれと試すこと」を、意味します。

手探り状態の中で、真実を求め、試行錯誤する姿勢を表現しています。

よって、「暗中模索」は、ポジティブな言葉であると、私は、解釈しています。

一方、似たような言葉に、「五里霧中」(ごりむちゅう)という、四字熟語が有ります。

五里霧中」の意味は、「物事の手掛かりがつかめず、方針や見込みが立たず、

困っている状態」を意味します。

全く、光明(こうみょう)が見えず、「カオス」(混沌、こんとん)に陥り、

身動きできない状況を表しており、ネガティヴ?な言葉であると、私は解釈しています。

 

話は、横道にそれますが、

暗闇の中で苦しむ人間が 、光明にたどり着けるよう、道を照らす灯火(ともしび)の一つとして、

行燈(あんどん)が有りま す。

しかし、はかなげで、如何にも頼りがいなく見える、灯火しか放てない行燈は、

太陽という、圧倒的な存在の前では、無用の長物でしか、有りません。

ダークダックスという、慶應大学卒業の4人組の歌手(ゾウ、ゲタ、マンガ、パク、の

カルテット)は、「ともしび」というロシア民謡を、歌っていました。

ロシア民謡には、他にも、「カチューシャの唄」、「トロイカ」が、有名です。

従って、日中に灯る「昼行燈」 (ひるあんどん)は、役に立たない、無駄な物の象徴と、

私は解釈しています。

 

昔のテレビドラマ「必殺仕置人」では、主人公、北町奉行所同心、

中村主水(なかむらもんど・演  藤田まこと、故人)は、昼は、グータラと

ごろ寝ばかりしているため「昼行燈」と、呼ばれていました。

しかし、夜になるとガラリと、人が変わります。

可哀想な人から、なけなしのお金を受領し、引き換えに、悪人の殺害を請け負います。

そして、弱者には晴らせなかった無念を、代わりに晴らしてやります。

昼と夜のギャップの大きな姿が、途方もなくカッコ良く見え、高視聴率を叩き出しました。

金をもらい、請負う所が、綺麗事でなく、現実的で、信ぴょう性が、有ります。

 

このことから、「昼行燈」にはもう一つ、「能ある鷹は爪を隠す」(普段は役に立たないが、

いざとなったら、とてつもない力を、発揮する)と言う、真逆の、誉め言葉の意味もあると、

私は思っています。

皆さんが、もし、「昼行燈」という言葉を使うとしたら、相手を見て、使い分けて下さい。

 

 「暗中模索」を、英語で言うと、「grope in the dark」と言うそうです。

「grope」(グロープ)の意味は、「手探りする、模索する」という、意味だそうです。

五里霧中」を、英語で言うと、「be in the dark」と言うそうです。